東大寺、春日大社を筆頭に神社仏閣の名所が多い奈良県。

柿の葉寿司、吉野葛、三輪そうめん、など素材を活かしたグルメが多く、薄味であっさり上品にいただく味覚で京都と似た文化を感じます。

今回は奈良県で特に「現地の飲食店やお土産でいただける」ご当地グルメを紹介していきます。

奈良県全般のグルメ

まずは、特定の市ではなく奈良県全般のグルメと位置付けられている名物を紹介していきます。

01.柿の葉寿司

酢飯に鯖や鮭の切り身を乗せて、柿の葉で包んで押し固めた寿司。

かつて紀州藩の漁師が船で紀ノ川上流から大和へ流していた歴史があり、和歌山県の名物ともされていますが奈良県で知名度が高いものです。

保存食として日持ちさせるため、殺菌効果のある柿の葉でくるんだとか。風味も上がり塩気も和らぐとも言われています。

02.茶粥(茶がゆ)

お茶を用いて作られるお粥(おかゆ)。

西日本で広く扱われる食べ物ですが、特に奈良茶粥(大和の茶粥)は1200年以上前から食べられていたと言われる知名度の高い名物です。

奈良茶粥の特徴としては、ほうじ茶を使用して炊くのが一般的で水分が多くサラリとしたもの。

昼や夜でも普通に提供するお店も多いですが、文化的には朝ご飯として食べられてきたもの。具材なくシンプルな茶がゆに漬物などを添えていただきます。

03.柿、柿スイーツ

日本有数の柿の産地、奈良県。特に奈良県五條市は市町村単位の収穫量で日本一を誇ります。

五條市の西吉野町が産地として有名で、生産量の多い「富有柿」を筆頭に「平核無」「刀根」という品種が育てられています。

奈良では大和朝廷の時代から栽培され、名句「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」が表すとおり古くから親しまれてきた果物です。

04.大和肉鶏

かつて日本三大養鶏地と呼ばれ明治時代から肉質が良いと評判だった奈良県の地鶏「大和かしわ」は、ブロイラーの大量生産に押されて消滅。

その「大和かしわ」を復活、再現させるために奈良県畜産試験場が研究、試行錯誤の末に作りだしたのが現在の大和肉鶏です。

脂肪の蓄積が少なく弾力性があると言われ、様々な料理方法に適しています。

05.奈良黒米カレー

古代米「黒米」を用いた、奈良の名物カレー。

白米よりも淡白で、プツプツと弾ける弾力とモッチリとした食感の黒米。濃い味のものと相性が良く、カレーの味わいを引き立たせてくれます。

白米と併用して用いるお店が多いと言われ、大和肉鶏を使用するお店もあります。栄養価が高くてヘルシーなご当地カレーです。

06.わらび餅

わらび餅の原料「わらび粉」の名産地、奈良県。わらび餅の名店が奈良や京都に揃います。

古くは足利時代から奈良名物とされて、醍醐天皇の好物だったという言い伝えも。

わらびが採れる春の名物でしたが、現在は収穫量などの問題でサツマイモやタピオカのデンプンや葛粉で代用されることが多く、涼しい口当たりから夏向きのデザートとなっています。

07.油かす、かすうどん

大阪の南河内地方で昔から食されてきた郷土料理「油かす」を用いた「かすうどん」は、奈良県でも広く展開されている名物です。

牛の腸を油でじっくり時間をかけて揚げると、余分な油分が抜けて旨味が凝縮された肉が出来上がります。

外はカリッと香ばしく、中はプルッとした歯触りが特徴です。(写真は油かす無しの素うどん)

天理市のグルメ

天理教で有名な天理(てんり)は、歴史あるハイキングコースとして人気の「山の辺の道」もあります。

08.天理ラーメン

天理市のご当地ラーメン。トンコツ、鶏ガラをベースとしたダシに醤油タレを使用し、炒めた白菜、豚肉、ニラなどの具材が乗ります。

辛くて濃厚コッテリで、卓上のおろしにんにくを入れるのも一興。店舗型だけでなく屋台もあり、チェーン店の「天スタ」「サイカ」が有名。

天理大学の学生や全国から集まる天理教の信者向けに作られたとも言われています。

桜井市のグルメ

三輪の大神神社、そして桜の名所でもある長谷寺など由緒ある寺社を多く持つ桜井市。奈良県各地の木材の集散地として製材業が盛んな「木の町」で、みかんの生産地としても有名です。

09.三輪そうめん

日本三大手延べ素麺と言われる、三輪素麺。(写真は三輪そうめんで作られたにゅうめん)

三輪地方はそうめん発祥の地とも言われており、奈良時代に唐(中国)から伝来した手法が用いられているとか。

細いほど高級とされ、金色の帯の「瑞垣」や黒色の帯の「誉」といった形で、束ねる帯の色で見分けがつく製品もあります。

農業の閑散期に兼業として製造されてきた歴史があります。

10.にゅうめん

素麺(そうめん)を温かいダシで食べる料理。全国的に食べられているものですが、奈良県が発祥の郷土料理とされています。

温かく煮ることから「煮麺」と書き、発音が訛って「にゅうめん」と呼ばれるようになったとか。

お店によって具材は異なりますが、にゅうめんに適した県産の三輪そうめんに山菜などを乗せて提供される傾向にあります。

11.ぼたん餅

ぼたんの名所として名高い長谷寺(はせでら)の参道の数店舗で売られている、ぼたん餅。

一般的なぼたん餅(ぼた餅)とは異なり、長谷寺名物のぼたん餅は小豆餡をヨモギ生地で包んだ草餅です。

編み笠の形や平たい形で提供され、お店によっては表面に焼きを入れて出してくれるところもあります。1個単位で購入できます。

明日香村(高市郡)のグルメ

蘇我氏や聖徳太子が活躍した飛鳥時代の舞台、明日香村。石舞台古墳や飛鳥寺など旧跡が多い観光名所です。

12.飛鳥鍋、牛乳鍋

鶏ガラの出汁に牛乳を加えた、牛乳鍋。

飛鳥時代に唐から来た僧侶が、ヤギの乳で鍋料理を作ったのが始まりとされています。

牛乳特有の臭みを感じさせない味に工夫された、まろやかさとコクのあるスープ。片栗粉でとろみ付け、生姜で味を引き締める方法もあり。

具は一般的な鍋料理と大差なく、鶏肉、白菜、しいたけ、ネギ、マロニーなど様々な具材を活用。

主に宿の夕食でいただける名物ですが、立ち寄りの店舗で提供するお店も少なからず存在します。

吉野町(吉野郡)のグルメ

桜の名所として全国的に有名な吉野(よしの)。名産の吉野葛(よしのくず)を用いたグルメが名物です。

13.吉野葛の葛もち

マメ科のツル植物、葛(くず)の根から採れる本葛粉。極寒期に地下水で精製と乾燥をさせた、無添加の自然素材と言えます。

吉野葛を用いた葛もち(くずもち)は、関東や沖縄とは材料や作り方が異なる透明な色合い。

コシ、粘り、透明感が特徴の吉野葛は、良質な本葛粉として高級な和菓子にも利用されるブランドです。

14.吉野葛うどん

和菓子に多く用いられる吉野葛ですが、小麦粉に吉野葛を練り込んで作るうどんも名物のひとつ。

喉越しが良くてツルリと滑らかな食感は、上品なもの。

また、スープにも吉野葛を使用して提供するお店もあり、あんかけのようにトロリと滑らかな仕上がりです。

15.桜製品、桜ソフト

ロープウェイの駅から桜並木の峠道を経て金峯山寺へと続く参道には、桜を用いた製品が多数用意されています。

桜花漬、桜ようかん、桜もち、桜ソフトなど多彩で、特に花見の季節には大混雑する参道で様々な桜の味覚を堪能できます。

食べ物以外にも、桜の木で作られた民芸品、吉野雛(ひな人形)もあります。

まとめ

飛鳥時代、平城京の時代を象徴する、昔ながらの名物が多い奈良県。

全般的に薄味のグルメが多く、素材そのものを活かした料理が多い傾向にあります。

奈良県は、奈良市、大和高田市、大和郡山市、橿原市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市など色々な市があるものの、各市単位の名物が少ない印象。

また、今回紹介した特定の市の名物についても、広く奈良県全般で提供される傾向にあるため奈良駅周辺で食べることができるものも多いです。

ということで、奈良県全般のご当地グルメ特集でした。