信州サーモン

南北に伸びて面積の広い長野県は、海が無いゆえに里山の自然から恩恵を受けたグルメが豊富。

発祥とも言われる蕎麦は信州そばとして名高く、野沢菜、わさび、長芋など食材の実りも楽しめる土地柄です。

一方で、平成16年に承認された養殖の信州サーモンなど、魚を充実させる取り組みも進んできています。

今回は長野県で特に「現地の飲食店やお土産でいただける」ご当地グルメを紹介していきます。

長野県全般のグルメ

まずは、特定の市ではなく長野県全般のグルメと位置付けられている名物を紹介していきます。

01.信州そば

信州そば写真 上田駅北口の蕎麦屋「塩田屋」のざるそばを軽快に堪能

全国の蕎麦のルーツと言われる、信州の蕎麦。

かつて蕎麦の実は団子状の「そばがき」等で食べられていたものを、現在では主流の麺状(そば切り)で食べ始めたのも信州だとか。

高冷地で育ちやすい蕎麦は信州の気候に合い、代表品種「信濃1号」は他県でも栽培されるもの。

商標登録としての「信州そば」は長野県信州そば協同組合にて認定されており、そば粉40%以上使用など条件があります。

02.おやき

おやき写真 ドライブイン「安曇野スイス村」でおやきの休憩タイム

小麦粉や蕎麦粉で具材を包んだ、焼き餅タイプの饅頭。稲作が難しかった長野県の多くの地域で作られるようになった代表的な名物です。

中の餡として小豆や野菜などの具材が用いられており、野沢菜、ナス、きのこ、かぼちゃなどバリエーションが豊富です。

地域によって作り方が異なり、鉄板やオーブンで焼くタイプと篭や蒸し器で蒸すタイプに分かれます。かつては囲炉裏で作られていたものです。

県北エリアのグルメ

長野市など、長野県の北部のグルメを紹介。

03.野沢菜

野沢菜写真 小諸の和食処「やまへい」で出してくれる野沢菜

温泉地としても有名な野沢温泉村を中心に作られてきた漬物。この地方の特産野菜「信州菜」を用いており日本三大漬物のひとつと言われます。

現在も長野県が主要産地となっています。雪が降る前の11月中に収穫を終えるそうで、12月以降の需要に対しては徳島県産を用いるのだとか。

長野県内では無料で出してくれる飲食店もあり、雪国の保存食としてだけでなくお土産の定番にもなっています。

04.わさび、わさび丼

本わさび丼写真 穂高に広大な敷地を持つ「大王わさび農園」内の名物

わさび生産量1位の長野県。その殆どが安曇野(あずみの)産で、中でも日本最大規模のわさび園を持つ「大王わさび農園」が有名です。

観光地ではわさびソフトクリームなどがあるとともに、わさびの茎も食べることができます。

そして定番は、身をすりおろしてご飯丼に乗せて食べる「本わさび丼」が有名です。

05.みゆきポーク

飯山みゆきポーク写真 飯山駅近くの食事処「中むら」のみゆきポークとんかつ

菜の花畑が有名な飯山のブランドとなる産地銘柄豚「みゆきポーク」。

数少ない養豚農家が育てており、芋やキャッサバ(タピオカの原料)等の配合飼料が用いられています。

軟らかくも締まりの良い肉質に、甘みとコクのある脂質が特徴。

【提供店一覧】 信州いいやま観光局 みゆきポーク提供店一覧
【店舗分布】 市内約19店舗で提供

06.山形村の長芋

山形村の長芋写真 松本市界隈に数店舗を持つ「水舎」の長芋バター炒め

北アルプスから風が吹き下ろす松本盆地にある山形村は、全国屈指の長芋の産地。昼夜の温度差が大きいことで濃い味に仕上がるのだとか。

擦りおろしたときの粘りの強さが特徴で、輪切りなどのシャキシャキの食感も魅力。

信州そばとの相性も良いゆえ、蕎麦屋さんで扱われていることもある食材です。

07.小布施の栗

小布施の栗写真 小布施で栗菓子が人気の老舗「竹風堂」の栗おこわ

古くから栗の栽培が盛んな小布施。戦国時代にもさかのぼると言われ、江戸時代初期に松代藩の御林として栗林が管理され始めたとか。

松川の扇状地で弱酸性の土壌と内陸の気候ゆえ、美味しい栗を作る好適地と言われています。

栗羊羹、ブッセなど和洋それぞれの菓子で多く販売されるほか、栗おこわも名物のひとつとなっています。

08.馬肉、馬刺し

馬刺し写真 長野市の居酒屋「二本松」にて馬肉の刺身と蕎麦

長野県は馬肉の生産こそ少ないですが、消費量は熊本県に次いで2位。明治時代に年老いた農耕用の馬を食べ始めたのが由来とされています。

馬肉の郷土料理「おたぐり」や、煮込み、焼きなど調理のバリエーションが豊富。海の無い長野県で魚の刺身の代わりとして広まった背景も。

ヘルシーで栄養価も高い馬肉は、長寿日本一の県となった長野県を象徴する食べ物のひとつと言えます。

県東エリアのグルメ

佐久、小諸、上田など、長野県の東部のグルメを紹介。

09.信州サーモン

信州サーモン写真 小諸の国道沿い「やまへい」にあるサーモンのミニ丼

長野県水産試験場が約10年かけて開発した、鱒(ます)類の新しい養殖サーモン。

ニジマスとブラウントラウトをバイオテクノロジーで交配させたもので、繁殖能力を持たないため自然界に流出しても繁殖しません。

身が大きくて肉厚で、ニジマスよりも肉がきめ細かいのが特徴です。

【提供店一覧】 非公式 おいしい信州ふーど 店舗一覧
【店舗分布】 県内で300店舗以上の扱いあり

10.アカシアの花の天ぷら

アカシアの花の天ぷら写真 小諸「やまへい」にて衣サクサクのアカシアが山盛り

5~6月に白い花を咲かせる「ニセアカシアの花」に衣をつけて天ぷらにした料理で、上田や小諸など東信地域で定番の食材です。

花の房ごと天ぷらにすることで衣の付きが良く、芯は食べずに花の部分を食べます。樹皮や葉には少量ながら有毒成分が含まれているそうです。

もともと香りの強い花で、天ぷらにして食べることで花の香りがほのかに口に広がります。

11.安養寺味噌、安養寺ラーメン

安養寺ラーメン写真 国道141号の「麺や天鳳」で安養寺味噌のラーメンを堪能

信州味噌の発祥とされる、佐久の安養寺の味噌。

鎌倉時代に安養寺を開いて味噌作りを始めたのが由来となっており、武田信玄も佐久を信州攻略の拠点としたことで味噌が信州全域に広がったと言われています。

現在では安養寺味噌を使用した街おこしとして、安養寺ラーメンを市内数店舗で展開しています。

【提供店一覧】 安養寺ラーメン公式 提供店一覧
【店舗分布】 公式提供店が市内15店舗

県南エリアのグルメ

伊那、飯田など、長野県の南部のグルメを紹介。

12.駒ヶ根ソースかつ丼

ソースかつ丼写真 駒ヶ根の名店のひとつ「きらく」で軽めソースのカツ丼

福井、会津とともにソースかつ丼の知名度が高い駒ヶ根市。昭和初期から存在していたとか。

千切りキャベツをご飯の上に敷いて、秘伝のソースにくぐらせたトンカツを載せた丼。

基本的に豚ロースが用いられ、他にも幾つかの規定に沿った内容で提供されます。

各店でオリジナルソースを用いるとともに、地元の伊那醤油が醸造する醤油を用いたソースはお土産用として市販されています。

【提供店一覧】 駒ヶ根ソースかつ丼会 加盟店一覧
【店舗分布】 加盟店が市内44店舗、さらに非加盟店もあり

13.ローメン

ローメン写真 駒ヶ岳SA下りにて夜中のフードコートのB級グルメ

伊那地方で名物の麺料理で、焼きそばに近くも独特の味を持ち羊肉とキャベツが用いられます。

伊那市で羊毛生産のための羊がマトンとして活用されてきた歴史があり、お店によっては豚肉を使用する豚(トン)ローメンが提供されます。

地元の服部製麺所の麺が多く用いられ、蒸し麺で色が茶色っぽく硬めの食感が特徴です。

長野県の食文化と健康について

長野県は古くから野沢菜、保存食、塩漬けの魚、信州味噌など塩辛い食べ物が多い傾向にあり、冬場は雪国として雪に閉ざされて運動不足になりがちな土地柄。

かつては脳卒中の死亡率ワースト1位だった長野県でしたが、県を挙げての減塩運動を続けたことによって2013年に沖縄県を抜いて「男女ともに長寿日本一の県」となりました。(厚生労働省のデータより)

野菜消費量が増えたとともに、ヘルシーで栄養価の高い馬肉、蕎麦などの食材も健康増進の一因になったとも言われています。

まとめ

海の無い県で冬は雪が積もる土地柄ならではの料理が多い長野県。自然の恵みをうまく活かした料理が多く、面積が広くて南北で異なる文化がグルメの多彩さにつながっているようにも感じます。

日本酒、ワインなど近隣県と似た酒文化もありつつ蕎麦焼酎も好まれる土地柄。美味しい食事を楽しめる県だと言えます。

以上、長野県全般のご当地グルメ特集でした。