夏は暑くて冬は寒い、東北雪国の山形県。

そば文化が豊かで、ラーメンやうどんも様々な形に進化したバリエーション豊富な麺文化。

観光地が少なめでありつつも、日本酒と温泉が豊富でゆったりした旅とグルメを楽しめる魅力ある県です。

今回は山形県で特に「現地の飲食店やお土産でいただける」ご当地グルメを市単位に紹介していきます。(今回は代表的な市のみに割愛して紹介します)

山形県全般のグルメ

まずは、特定の市ではなく山形県全般のグルメと位置付けられている名物を紹介していきます。

01.芋煮

山形県の代表といえば芋煮(いもに)。牛肉、里芋、白ネギ、ごぼう、しらたきなどの具材を、鰹をダシにした汁で煮込んだ煮物です。

通年いただける店も多いですが、里芋の収穫時期の秋が旬。河原に大勢で集まって大鍋で煮込んで振る舞う「芋煮会」は秋の風物詩です。

ちなみに、内陸部は醤油ベース、海沿いは味噌ベースの味付けで提供される傾向にあります。

02.玉こんにゃく

山形県民のソウルフードといえば、玉こん。

古くからお祭りや催し事の場には玉こんにゃくの店舗や振る舞いが行われるのが定番で、玉こんにゃく製造の老舗も存在します。

球型のこんにゃくを醤油入りのダシで煮込んで作るため、茶色くなります。串が刺さって提供されることが多く、からしを付けて食べます。

03.山形そば(山形県の蕎麦)

内陸部「そば街道」を筆頭に、山形県全域で多く食される山形県の蕎麦。

信州そばと異なり、山形そばの特徴は真っ黒と称される色合いで太めに打った硬い田舎そば。そばの実の全粒を用いた挽きぐるみの二八そばでの提供が主流です。

地元産の玄ソバは澱粉質に富んでパサつかず喉ごし良く、ほのかな香り。

特に、山形の在来種「最上早生」を品種改良した「でわかおり」の蕎麦粉は、製粉白度が高くて風味豊かな特徴があります。

04.板そば

山形県の内陸部で広く食べられる蕎麦のひとつ。長い板の木箱に田舎そばを盛り付けたもの。

複数人で分け合って食べるもので、伝統行事などの集まりで「早く板に付くように」という縁起も込めて板の箱で振る舞うものです。

飲食店では1人客でも板そば形式で提供してくれるお店があり、写真のように白い更科そばと併せた2色そばで出してくれるお店もあります。

05.棒鱈煮(ぼうだらに)

かつて鮮魚が手に入りにくかった山形県の内陸部にて、主に正月などの伝統行事で食べられてきた保存食。

そのままでは硬くて食べられない棒ダラ(マダラの干物)を、水で戻してから煮込んだもの。

江戸時代以前から東北地方の保存食の代表格で、加工された棒鱈は北前船で関西方面にも運ばれたと言われています。

似た食べ物として、エイヒレを使用した「からかい煮」も山形名物です。

06.エゴ刺し

秋田県や山形県で食べられる郷土料理のひとつで、天草の一種となる海藻「エゴ」。

寒天のように固めたエゴを短冊状に切って並べた「エゴの刺身」。酢味噌やゆず味噌を上からかけて食べます。

寒天に似た淡白な味わいとゼリー状の食感。ほのかな磯の香りながら酢味噌の味わいが主体となります。

07.団子(だんご)

山形では餡をたっぷり塗った串団子を扱う菓子舗が多く、団子専門の老舗もあります。

つぶ餡、ゴマ、地元産醤油のみたらしなど、様々な味の餡を団子の上下にベッタリ塗りつけたボリューム感ある見た目。

特に枝豆をすりつぶした「ずんだ」は宮城県と並んで人気の味で、ずんだ餡の団子を扱うお店が多い印象です。

山形市のグルメ

内陸部の中心地、山形市の山形駅。季節限定で山形市発祥の「冷やしラーメン」や市内4店舗で展開する「芋煮カレーうどん」なるものもあります。

08.山形ラーメン

ラーメン屋が日本一密集していると言われる山形県の中でも、中心地となる山形市で提供されるラーメン。

中華そばタイプのあっさりとした醤油ラーメンで、縮れた中華麺にナルトとバラチャーシューを用いたお店が多い傾向。

お店にもよりますが、山形ラーメンのトレードマーク「青のり」が振りかけられます。

米沢市のグルメ

上杉神社など上杉家由来の名所を持つ、米沢市。米沢の三大特産品として、Apple(舘山林檎)、Beef(米沢牛)、Carp(米沢鯉)が「米沢のABC」と表現されています。

09.米沢牛

松阪牛、神戸牛と並んで日本三大和牛とされるブランド牛。米沢市の置賜地方で肥育されて一定基準を満たした黒毛和牛が米沢牛と呼ばれます。

寒暖の激しい盆地にて極寒の冬には餌を食べても熱代謝にエネルギーを取られるため「米沢牛はゆっくり育つ」とされ、肉が熟成して甘くなると言われています。

老舗料亭など風格のあるお店で、焼肉、ステーキ、しゃぶしゃぶ、すきやきなどの食べ方で楽しめます。

10.米沢ラーメン

米沢市周辺で提供されるご当地ラーメン。

俗に「黒中華」と呼ばれる、濃い目の色合いのあっさり醤油スープ。

手もみをかけて縮れを付けた縮れ麺は、一般的な麺より多くの水を使用する多加水麺のもっちり食感も米沢ラーメンの特徴です。

11.鯉料理

上杉家十代藩主、上杉鷹山が推奨した米沢鯉。

水産資源に乏しい土地で蛋白源の補給のため、米沢城の濠で育てたのが由来とされています。

三才鯉を使用し、清流と冬の寒さで川魚特有の臭みが出にくいのが魅力。

鯉こく、鯉丼などの食べ方で楽しめます。

12.峠の力餅

奥羽本線の峠駅で売られている大福餅。

国鉄時代にこの駅で汽車の待機時間に窓越し販売されていた名物で、現在でもシェルター式の駅ホームの立ち売りで販売されています。

柔らかい求肥タイプの皮に、コクのあるこし餡。10個入りの箱で販売されます。

村山市のグルメ

13.ひっぱりうどん

サバ缶(鯖の水煮)、乾麺のうどん、納豆を入れた汁にうどんをつけて食べる郷土料理。

釜揚げタイプの鍋に入った太めのうどんを箸でひっぱり上げて汁につけるのが名前の由来(諸説あり)で、生卵の黄身を用いる場合もあり具材にうどんを絡めて濃厚にいただくものです。

村山市の戸沢地区が発祥という説があり、炭焼き作業の合間に向いている簡単な食材で作れる食事として食べられるようになったそうです。

東根市、河北町のグルメ

14.さくらんぼ、さくらんぼ菓子

寒河江、天童、東根などに果樹園が多く存在する果物王国、山形県。

特にさくらんぼの最高品種と言われる「佐藤錦」発祥の地となる東根(ひがしね)は、さくらんぼの名産地として名高いです。

6~7月が旬で、さくらんぼ狩りを楽しる果樹園も豊富。さくらんぼを使用したお菓子もあります。

15.谷地の肉そば

山形空港の西に広がる、河北町(かほくちょう)の谷地(やち)エリアの名物。

「冷たい肉そば」とも呼ばれ、香り高いダシの冷たい汁の田舎そばに鶏肉が乗ったものです。

河北町では通年提供されており、冬場でもオーダーする方が多い人気メニューとなっています。

【提供店一覧】 河北町商工会サイトに約17店舗記載あり。
【店舗分布】 河北町に約17軒ほど。他エリアにも提供店が少しあり。

新庄市のグルメ

16.新庄とりもつラーメン

昔ながらのあっさり醤油ラーメンの上に、地元の郷土食材「とりもつ」が乗ったラーメン。

鳥モツ(鶏の内臓系部位)が各種用いられて、よく煮込まれて臭みが出にくいのが魅力。

元祖店は昭和25年頃創業の一茶庵支店で「一茶ラーメン」の名前で提供されていたもの。平成14年に「愛をとりもつラーメンの会」が結成されて新庄名物化されました。

【提供店一覧】 新庄市とりもつラーメン提供店一覧に6店舗記載あり。
【店舗分布】 新庄市に6軒ほど。最上町、金山町、真室川町、肘折温泉にもあり。

酒田市のグルメ

かつての北前船の文化で豊かな食材に恵まれた港町、酒田。塩納豆、温海かぶ、だだちゃ豆など名物が幾つかあります。

17.むきそば

殻をむいた蕎麦の実をそのまま茹でて、薄味の冷たいダシ汁をかけて食べる酒田の郷土料理。

蕎麦の原型とも言われる料理。ゴロゴロと入った蕎麦の実をすするように食べますが、スプーンで食べるのもアリです。

軽い薬味でいただくこともあれば、まいたけ、ネギ、海苔など具材を乗せて食べるタイプも。

もともと関西の寺院で食べられていた精進料理が、江戸時代の中期に北前船で酒田に伝わったと言われています。

まとめ

内陸の奥羽本線沿いルートが「そば街道」と呼ばれるように、蕎麦の文化が色濃い山形県。

麺類へのこだわりの強い人が多く、飲食店で色々な食べ方が用意されているのも特徴のひとつ。

夏場の冷やしラーメンと冷たい肉そばもその代表例ですし、蕎麦屋さんにラーメンが用意されているお店が多いのも山形県ならでは。

家族で好みが分かれていても外食しやすく、気分によって選択肢を楽しむことができるのです。

板そば、芋煮会など大人数の交流文化もあり、他県でも山形県出身者による芋煮会が行われているのだとか。

ということで、山形県全般のご当地グルメ特集でした。