フグ

フグを代表とする山口県のグルメですが、他にも魅力的なご当地ならではのグルメが多数あります。

特に漁業が盛んで「瀬戸内海の周防灘」と「下関から萩まで続く日本海」の双方で異なる魚が水揚げされる、魚介類の宝庫と言える県。

周防大島みかん、岩国レンコン、徳佐リンゴなど農産物もあり、昔ながらの麺類をB級グルメ的に楽しむこともできます。

今回は山口県で特に「現地の飲食店やお土産でいただける」ご当地グルメを各市町村単位に紹介していきます。

下関市のグルメ

01.フグ

フグ

県を代表する高級食材として、下関の名物となっているフグ。

養殖モノの流通も多いため通年食べられますが、特に天然のトラフグが群を抜いて美味しいと言われており、寒さで身が締まる1~2月が旬。

実は、フグの漁獲量は石川県が1位。下関市は「取扱量」で日本一とされており、全国のフグの約8割が下関の南風泊(はえどまり)市場を経て全国各地に出荷されます。

品種や調理法を問わないのであれば下関で1,000円前後で食べられるお店もあり、昼夜問わず沢山の飲食店にて予約無しで食べられます。個人的には刺身よりも天ぷらや鍋でほっこりいただくのがオススメ。
(写真は下関市の話食こだまのフグ刺皿盛り)

02.瓦そば

瓦そば

下関より北に位置する温泉地、川棚温泉の名物料理。

熱した瓦の上に茶そばを乗せて、温かいめんつゆで食べるもの。具材は刻みネギ、牛肉、錦糸卵、海苔、スライスレモン、もみじおろしが一般的です。

元祖は「たかせ本館」というお店で、川棚温泉に数店舗を有しています。

現在では山口県全域で広く扱われています。焼きそばの蒸し麺に近い食感で、熱々の瓦でパリッと焦がしが付くとさらに旨くなります。温かいので食べ応えがありつつ、後味スッキリ。
(写真は川棚温泉の瓦そば本店 お多福

03.ほおかむり

ほおかむり

下関市の北部の旧豊浦町における日本海沿いの漁港、小串(こぐし)に伝わる郷土料理。

イワシやサワラなどの地元で獲れる魚をミンチにして昆布で包んで甘辛く煮た料理。

昆布の元をかんぴょうで巾着の形に縛る形が「ほっかむり」に似ているのが名前の由来です。

小串から近い川棚温泉で食べられるお店があります。タレがものすごく甘くてトロッとして昆布やつみれにタレが染み込んでいて、これぞ昔ながらの郷土料理。
(写真は川棚温泉の瓦そば本店 お多福

山陽小野田市のグルメ

04.貝汁

貝汁出典 http://www.michishio.com/

良好な干潟が多く存在する周防灘らしいグルメ。

正確には山陽小野田市のグルメではなく、山陽小野田市にある「ドライブインみちしお」独自の名物。温泉を有する知名度の高い施設で評判のメニューだそうです。

宇部市のグルメ

05.小野茶

小野茶

山口県宇部市小野地区に広がる大茶園は、1箇所での茶畑面積が西日本随一の約100ヘクタール。

小野茶はコクの深さが顕著という特徴があり、苦味渋味が強くて甘みもあると言われています。

真砂と赤土による痩せた土地と、冬に濃い霧が発生する生育向きの環境が作り出す茶葉です。

小野田市の名産かと思っていましたが、宇部市なんですね。宇部市以外でも茶葉の販売はそこそこ見られる一方、お茶スイーツなど飲食店で扱うお店はあまり見かけません。
(写真は宇部市のときわ公園にあるレオラの小野茶スイーツ)

06.月待ちガニ(ワタリガニ)

月待ちガニ(ワタリガニ)

宇部市近海で捕れるワタリガニのことを「月待ちガニ」と呼び、瀬戸内海において宇部市が最大の水揚げ量を誇るそうです。

俗に「ソースなど味付け用に使う」と言われるワタリガニの身を食べるのは宇部ならでは。

冬場が特に美味しいと言われており、繊細な甘さとほのかな香りで茹でる、焼くなどの調理法で楽しまれています。

ネット上で調べていて取り扱い店舗が4軒ほどしか見つからず、しかも要予約なので食べたいときは下調べが重要です。
(写真は宇部新川の味遊のワタリガニ天ぷら、予約不要)

07.宇部ラーメン

宇部ラーメン

主に宇部市で扱われる、濃厚トンコツが特徴の豚骨醤油ラーメン。

1950年代に大阪屋の店主が福岡県の久留米で修行して宇部にお店を出したのがルーツとされており、久留米系の豚骨ラーメンの発展形と言えます。

最近ではB級グルメとして「茶濁濃豚骨」「強い豚骨臭」「中太の柔らかい麺」の3条件を宇部ラーメンと定義し、展開されています。

俗に「和歌山の井出商店のラーメンに似ている」とも言われる、豚骨のクセと醤油が合わさった濃厚トロリとしたスープが特徴です。
(写真は宇部新川の一久

山口市のグルメ

08.ばりそば

ばりそば

戦後に台湾の麺料理を参考に作られた、山口市にある春来軒が元祖と言われる料理。

太めの揚げ麺の上にキャベツ、タケノコ、シイタケ、キクラゲなど野菜が乗っています。

軽いとろみの付いた鶏ガラベースのスープがかかっており、あんかけというよりはスープに近い汁気たっぷりな点が「ばりそば」の特徴と言えます。

春来軒以外で扱っているお店を見たことが無いのですが……。本店と支店で具材や味付けが異なり、個人的にはサビエル聖堂近くの店舗のばりそばが好きです。
(写真は山口市の春来軒本店

09.外郎(ういろう)

外郎(ういろう)

名古屋に次いで外郎を代表銘菓としている山口県。

名古屋の外郎は「うるち米の米粉が原料」の傾向があるモッチリ食感に対し、山口の外郎は「わらび粉が原料」の傾向があるプルッとした食感が特徴と言われています。

日持ちせず現地で食べるのに向いた「生ういろう」と、日持ちが良くてお土産にピッタリな「真空包装」を選べます。

老舗ごとに味が異なるのですが、ポイントのひとつは「小豆つぶが入っているかどうか」。値段は1個100円前後の小さい包装のものがあります。
(写真は山口市の豆子郎の抹茶生ういろう)

10.徳佐リンゴ、リンゴパイ

徳佐リンゴ、リンゴパイ

山口市と津和野町を結ぶ国道9号沿いにリンゴ製品の直売所が多数立ち並ぶ、リンゴ名産の町「徳佐」。

リンゴの実やリンゴジャムなどが並ぶ直売所が多い中で、リンゴパイを扱う直売所も幾つかあります。

地元の方の手作り感溢れるリンゴパイは、蜜に染まって甘いリンゴの実が詰まっていて果実感が強いです。
(写真は徳佐のマルホりんご園のリンゴパイ&リンゴケーキ)

防府市のグルメ

11.天神鱧(てんじんはも)

天神鱧(てんじんはも)出典 http://www.kanko-hofu.gr.jp/tenjinhamo

1級河川の佐波川から豊かな栄養が流れ込む防府沖は、鱧(はも)の産卵地に適している鱧漁の盛んな場所。

平成18年に「天神鱧」という名前でブランド化した、防府の名物。どうやら養殖は無いようで、夏場のみ食べられます。

刺身や揚げ物だけでなく、練り物にした「はもそうめん」も名物。銘菓「天神鱧パイ」はお土産としてピッタリ。

周南市のグルメ

12.とっくり大根、とっくり沢庵

とっくり大根、とっくり沢庵出典 http://www.oidemase.or.jp/

周南市の福川地区でのみ作られる大根。

徳利(とっくり)のような太い形に出来上がり、福川地区以外で育てても徳利の形にならないと言われています。

11月に柿の木に吊るして、漬け込んで沢庵にするのが主な食べ方。周南市ではお土産としての販売もされており、歯切れが良くて甘いのが特徴です。

下松市のグルメ

13.笠戸ひらめ

笠戸ひらめ

下松市の笠戸島、笠戸湾で獲れる笠戸ひらめ。

引き締まった身はコリコリとした食感で、肉厚で脂が乗って甘みがあると定評の高級食材です。

笠戸島で養殖も行われており一年中食べることができ、刺身、焼き物、煮物、揚げ物、そして「えんがわ」も絶品です。

ネット上で取り扱いを公表している飲食店が少なく、特に夕食は宿泊客のみに限定して提供するお店も多いので注意が必要です。
(写真は徳山にあるゆあーずのひらめ刺身)

14.牛骨醤油ラーメン

牛骨醤油ラーメン

鳥取県と並んで全国的に珍しい、牛骨醤油ラーメンのお店が多数ある下松市の下松ラーメン。

牛の骨でダシを取る醤油スープは俗に「すきやきの味」と言われており、ほんのりとした香りに余韻の残る旨みが特徴です。

地元民は普通に中華そばと呼ぶ、昔ながらの味でありつつ現代人にも受け入れられやすい味という印象です。
(写真は下松駅前にある北斗亭

15.朝日屋ハム、ベーコン

朝日屋ハム、ベーコン

下松市瑞穂町にある、有限会社朝日屋の商品。

ハム、ベーコンなどの加工品は海外での受賞歴があり、世界が認めた味として売り出している山口県の名産品です。

鉄板料理屋さんで素材のひとつとして用いられることもあり、肉厚なベーコンは好みの味です。
(写真は湯田温泉にある鉄板酒場 壱○弐の「朝日屋ベーコンとアンデスポテトのスパイシー炒め」)

光市のグルメ

16.ツンコ干し

ツンコ干し出典 https://www.city.hikari.lg.jp/

冬に小型底曳網漁業で漁獲されるデビラガレイ(タマガンゾウビラメ)を竹串に刺して干したもの。

冬に光市の室積地区で見られる光景で、冬の団らんに欠かせない味覚のひとつ。軽くあぶって食べるそうです。

柳井市のグルメ

17.茶がゆ

茶がゆ出典 http://www.city-yanai.jp/

米をほうじ茶でコトコトと炊き上げた、柳井地方で江戸時代から伝わる郷土料理。

岩国の吉川氏が、厳しい情勢下に米を節約するために奨励して定着したものとされています。

米の甘さと香ばしいほうじ茶の素朴な味わい。餅やサツマイモを入れて食べることもあるそうです。

大島郡周防大島町のグルメ

18.みかん鍋

みかん鍋出典 http://www.suouoshima.com/

みかんの生産量の多い周防大島にて、温州みかんと瀬戸内海の魚介類を用いた「みかん鍋」が名物になっています。

基準をクリアした鍋用みかんを丸ごと入れることにより魚臭さを軽減。いりこ出汁のスープをベースに、サバフグ、鶏肉などの具材を楽しむことができます。

大半のお店が要予約となっており宿泊者限定で提供するお店が殆どですが、1人用のみかん小鍋でランチ提供をしてくれるお店もあります。

岩国市のグルメ

19.岩国レンコン

岩国レンコン

門前ハスとも呼ばれる、岩国名産のレンコン。

岩国レンコンの穴は9つあり(他地域は8つが一般的)、岩国藩主の吉川家の家紋の九曜紋と形が似ていて藩主が喜んだという逸話もあります。

色が白くて肉厚でシャキシャキとしており、他地域のレンコンよりも柔らかいのが特徴。祝い事ではレンコンの酢の物が定番です。

わずかに粘りを感じる食感で、揚げ物など熱々に調理した一品が美味しくてオススメです。
(写真は岩国駅近くにある岩国縁家のレンコンはさみ揚げ)

20.岩国寿司

岩国寿司

岩国藩の保存食として、米と蓮根に野菜を配して魚の身を入れた押し寿司。殿様寿司とも呼ばれます。

サワラやアジなどの身をほぐして混ぜ込んだ酢飯の上に春菊などの青菜、岩国名産の蓮根、椎茸、錦糸卵などを乗せた、ちらし寿司に近い郷土料理。

大きな木箱の中に何層にも重ねてサンドイッチ状にして押し固めてから1人前ずつ切り分けるもので、正月など大人数の集まりで振る舞われる料理でもあります。

長崎県の大村寿司に似ていますが、岩国レンコンが入るのが特徴。居酒屋などで1人前の小さいサイズでオーダーできます。
(写真は岩国駅近くにあるづぼら寿司の岩国寿司)

21.大平(おおひら)

大平(おおひら)

岩国の郷土料理で、野菜、鶏肉、山菜などが沢山入った煮物。岩国レンコンも入っているのが一般的です。

器として直径50cmほどもある大きな平たい椀が使われることから「大平」と呼ばれるようになったそうで、かつては祝い膳としてどの家庭でも大平椀を持っていたそうです。

22.岩鯖寿司

岩鯖寿司

岩国独自の焼き鯖寿司で、岩国名物というよりは岩国のメーカー「じらく杏」独自のご当地焼き鯖寿司。

駅弁タイプの真空パッケージで販売されており、岩国レンコンや地元味噌を使ったものです。

持ち帰り販売もありますが、錦帯橋バスセンター2階の食事処でいただくこともできます。
(写真は岩国駅近くにある錦帯茶屋の岩鯖寿司)

23.珍ソフトクリーム

珍ソフトクリーム

錦帯橋を渡った先にある名物といえば、ナニコレ珍百景でも取り上げられたソフトクリーム。

一番手の「むさし」では100種類のソフトクリームがあり、対抗する「小次郎商店」では30種類ほどのラインナップが用意されています。

お茶漬け味など変わり種のフレーバーもあり、観光話のネタになります。
(写真は錦帯橋近くにあるむさしの商品ディスプレイ)

美祢市のグルメ

24.秋吉台高原牛

秋吉台高原牛

秋吉台のカルスト台地の一角にあるギンチク牧場で育てられた秋吉台高原牛。

クドくない脂のサシが軽く入った、柔らかい肉質が特徴。

美祢市での農産物販売所での販売に加え、主に防府市の飲食店での利用が多いとのことです。

山口県では萩市の見蘭牛を一大ブランドとして推しているためか、秋吉台高原牛はリーズナブルにいただける狙い目の食材だと感じます。
(写真は防府にある咲果庄のサーロインステーキ)

長門市のグルメ

25.仙崎かまぼこ、練り物

仙崎かまぼこ、練り物

仙崎の名産といえば、ちくわ、かまぼこ等の練り物。

全国的に多い「蒸す」工程が無いのが仙崎のかまぼこ。かまぼこ板(杉の板)にすり身を盛りつけて、蒸さずに終始炭火で焼く「焼きぬきかまぼこ」の製法を用いています。

板かまぼこだけでなく、長門市内では色々な形で販売されています。
(写真は仙崎にある大ちゃんのかまかつバーガー)

26.長州どり

長州どり

長門市の深川養鶏農業協同組合による、山口県の銘柄鶏。

平飼いの自然環境で飼育管理された健康な鶏で、ハーブ入り飼料による飼育。

早くから無農薬飼料に取組んで1997年に100%完全無薬での飼育方法を確立した鶏で、柔らかくて旨みがあるそうです。

脂濃すぎず繊維の良さを感じる肉質と味わいの良さで、オススメできる鶏肉です。
(写真は湯田温泉にある鉄板酒場 壱○弐の長州鶏ももアンデス岩塩焼き)

萩市のグルメ

27.見蘭牛(けんらんぎゅう)

見蘭牛(けんらんぎゅう)出典 http://www.hagishi.com/

天然記念物に指定されている幻の見島牛(みしまぎゅう)とオランダ原産ホルスタインを交配させた萩のブランド牛。

綺麗な霜降りが特徴で、柔らかくて香り高いと言われています。

鮮度が良いことから牛刺しや網焼きなどで楽しむこともできます。

まとめ

探してみると多岐にわたる山口県のグルメ。海の幸を中心としつつ肉類や農産物もしっかり存在しており、ラーメンも昔からの味に独自性があります。

観光地が広範囲に広がる中で、各市町村でグルメが存在するのが嬉しいところです。

ということで、フグだけでなく様々な味を楽しめる山口県の魅力あるご当地グルメの紹介でした。