ビール工場、酒蔵見学、などなど。お酒の製造工程を見学して試飲を楽しむのも観光のひとつとして人気ですので、行ったことのある人も多いかと思います。ただ、係員が解説してくれる製造工程には専門用語も多くて「何となく理解して、すぐに綺麗さっぱり忘れてしまっている」という人も多い気がします。

実は、この解説を聞く中であらかじめ知っておくべき基礎知識がひとつあります。工場ではあまり詳しく解説されないこのポイントひとつを知っておけば、あらゆるお酒についての醸造工程について理解しやすくなるのです。

麹と酵母の働き

その知っておくべきポイントは、原料からアルコールを生成する際の工程。いわゆる「麹、酵母とは何か」です。これだけをあらかじめ理解しておけば、酒蔵見学時の解説内容を理解しやすくなるのです。

お酒のメインであるアルコールはどのような原料で作ることができるのか。日本酒は米、焼酎は米、麦、芋、ワインならブドウ。しかし、よく観光地でゆずワイン、みかんワイン、しそ焼酎、などなど様々な原料のお酒を見かけます。実は「デンプンもしくは糖分のある原料」であれば基本的に何でもお酒にすることができます。上の図において、焼酎は穀類を用いるので上のグループ、ワインは果物を使用するので下のグループ。全く別々のお酒ですが、糖分からアルコールを作るという部分はすべてのお酒に共通する工程です。

さて、この工程で登場するのが、麹、酵母、という細菌です。簡単に言ってしまうと、麹はデンプンを食べて糖分を排出し、酵母は糖分を食べてアルコールを排出します。この点をしっかり覚えておけばOKです。

例えばワインの原料はぶどうです。食べると甘いぶどう、当然ながら糖分があります。それゆえ酵母があればアルコールができます。麹は登場しません。対して麦、芋、米などを原料とする焼酎はというと、原料にデンプンを有しており糖分はほとんどありません。それゆえ麹で糖分を作り出し、その後に酵母でアルコールを作るという流れになります。

大半の工場見学ではこの「麹と酵母の働き」については知っている前提での説明になります。「このタンクで酵母を入れて発酵させます」といった簡単な解説のみで、パネルにも詳しい解説が書かれていないこともしばしば。それは「自社の特徴に特化した説明」と「見学している場所の解説」が主体ゆえに、一般的な知識を端おる傾向にあるからです。

麹と酵母、これを知っておけば見学時に「この場所では何を作っているのか」を理解できるようになります。