本日の焼酎レポートは、熊本県多良木町にある恒松酒造の球磨焼酎「球磨拳」です。無濾過に加えて、一般的な白麹ではなく黄麹を用いて吟醸酵母で仕込んだ一品。詳しく紹介していきましょう。

1.銘柄の情報

多良木町の東端、新鶴羽駅の近くにある恒松酒造。女性向けの焼酎やかつての玄米による焼酎を現代で作るなど新たな試みを行う酒蔵ですが、ベーシックなモデルとなる「球磨拳」は地元の焼酎好きの方から愛される球磨焼酎らしさのある焼酎です。

(裏ラベルから引用)
吟醸酒用の黄麹菌と酵母で低温発酵させました。さらに、麹量を約2倍使用し、味わいを深めております。これらのこだわりを大切に残す為、無濾過で瓶詰めした自慢の一本です。米焼酎本来の華やかな香りと心地よい甘さを充分にお楽しみ下さい。

実際にラベルの原材料を見ると「米、米麹」ではなく「米麹、米」で記載されています。米麹の量のほうが上回っている、というのは結構珍しいように思います。

球磨地方で古くから宴会時に行うジャンケンに似たゲーム「球磨拳」を銘柄名に充てた焼酎。黄色の和紙に輝く金の文字のラベルが格好いいものです。

2.気になる味は

まずこの焼酎、香りが良い。突くようなアルコールの香りは無く、華やかですがすがしい香りがほのかに感じられます。例えは悪いですがプラモデル塗装の匂いに似ているのですが、不快感は無くて上品に感じられる点が魅力。実際のところわからないですが、これが無濾過で取り除いていないフーゼル油の香りでしょうか。

飲んでみると、コクのある焼酎が舌全体に行き渡り、重力を感じさせるように口の下側から喉へと流れていきます。飲み応えがあるだけでなく喉のほうへと広がるアルコールの刺激や味わいも深みがあります。なかなかうまい。

フルーティーさは健在であり、黄麹の特徴とされている日本酒らしさが適度に出ています。日本酒だと思って飲めば日本酒に感じるし、焼酎だと思って飲めば焼酎だと感じる、そんなバランス感覚。

ラムネのような香り、ラムネ菓子のような味わい、そんな面もほのかに感じ取れます。黄麹、吟醸酵母、無濾過、この3種類の特徴ゆえ独特の味わいが顔をのぞかせつつ、奇をてらわない焼酎の枠にしっかり収まっているゆえ支持もされやすいように思います。

ちなみに、日本酒的なアプローチといえば鳥飼が有名ですが、鳥飼とは大きく異なるからまた面白いもの。日本酒、吟醸酒らしさは鳥飼のほうがよく出ていて美味しく、飲み応えで言えば球磨拳のほうがしっかり出ていて美味しいと個人的には感じます。

商品名称 球磨拳 無濾過 黄麹吟醸酵母仕込 原材料名 米麹(国産米)、米(国産)
商品分類 本格焼酎 米焼酎 蒸留方式 減圧蒸留
酒造名称 恒松酒造 度数 25%
酒造所在 熊本県球磨郡多良木町 容量 720ml