本日の焼酎レポートは、熊本県人吉市にある鳥飼酒造の球磨焼酎「鳥飼」です。球磨焼酎と言えばこの銘柄の名前がよく挙がりますが、代表格ではなく「日本酒っぽい」というオリジナリティーによる話題性を持つ焼酎と言えます。主に日本酒の醸造に使われる黄麹を使用したフルーティーな味わいが魅力の一品。詳しく紹介していきましょう。

1.銘柄の情報

人吉エリアの中でJR人吉駅を起点として広がる街並み、その裏路地にあるのが鳥飼酒造。製造銘柄は少なく、調べた限りではこの「吟香 鳥飼」しか作っていない小規模の酒蔵のようです。

この銘柄は、主に日本酒で使用される黄麹を使用して醸造された焼酎です。

この黄麹というのは温暖な気候には向いていない種類の麹で、九州のような温かい土地では「もろみ」が腐りやすい点がネックとなっている麹。生産量や手間という観点では「焼酎造りに向かない」麹ではあるのですが、この黄麹で作った焼酎はフルーティーで日本酒の吟醸酒らしさのある味わいに仕上がるのです。

96年のモンドセレクションで特別金賞を受賞した製品。まぁモンドは絶対評価なので俗に「金賞までなら金を払えば貰える」と言われる日本のド定番の品評会なのですが、特別金賞は実力があってこそ貰える賞だと思います。

これでも日本の品評会に出展したら「味が独特なので落とした」と言われたというエピソードもあり、焼酎の枠を超えた独特の味わいであることは間違いないでしょう

トロピカルフル-ツのような優しい香りと柔らかな味わいが特徴の米焼酎の傑作、と評価しているサイトもあります。

2.気になる味は

注いだグラスから漂う香りはまさに日本酒を偲ばせるもの。黄麹由来と思われる「フルーティー」と称することのできる日本酒の吟醸酒を思わせる香りが漂う焼酎です。上品で優雅さを感じさせてくれる香りで、焼酎でありがちなアルコールのツンとくる感じとは異なる独特の刺激が鼻をスッと通っていきます。

実際に味わってみると、香りがそのまま味になった印象が強いです。鼻で感じてから舌で感じると連続的というのか、香りと味わいが一致している違和感の無さがこの焼酎の性格なのでしょう。香っても飲んでも鼻に抜けるシャープな香りは上品そのものです。

初めは日本酒らしさが全面に出ており、トロッとした舌ざわりがまた日本酒を思わせてくれます。それでいて次に軽く押し寄せてくる上品でジワッと舌に染みる甘みと度数高めのアルコール、少しずつ焼酎らしさがジワジワとやって来ます。この味を例えるのは難しいですが、ミントの味を優しくしたような感じと言えばいいのでしょうか。

水割りにするとアルコールの濃さが緩和されつつ、フルーティーさが失われない点も魅力。日本酒だと水で割るという文化は無い(割っても水1割といった程度)ので、水割りで日本酒らしさを楽しめるというのも不思議なものです。

商品名称 吟香 鳥飼 原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
商品分類 本格焼酎 米焼酎 蒸留方式 減圧蒸留
酒造名称 鳥飼酒造 度数 25%
酒造所在 熊本県人吉市 容量 720ml